エキプロの歴史 The History of`Ekipuro`

 エキサイティングプロレス(通称:エキプロ)』とはユークス社から開発され、現在は2K Sports(一時期はユークスTHQ)社から概ね年に1回発売されているアメリカの大手プロレス団体『WWE』(旧『WWF』)を基礎として製作されたアメリカ発祥の3Dプロレスアクションゲームです。
2000年の春に欧米で150万本以上の売り上げを記録したエキプロシリーズ第1弾『WWF SmackDown!』(PS)が発売されたのを皮切りに、以降は毎年のように続編が製作・発売されています。後に日本でも『エキサイティングプロレス』名義で発売され、シリーズ第13弾目となるWWE`12まで発売されていました。

シリーズ第8弾からは国内版の発売元がユークスからTHQに代わり、日本版の名称は『WWE SmackDown! VS RAW20○○(通称:SVR)』に変わりました(2011年に発売元が再びユークスに戻ったが名称はそのままSVRのまま)。シリーズ第13弾からは『WWE`○○』とよりシンプルなタイトルに変更となりました。そして、シリーズ第15弾からは発売元の変更により『WWE2K○○』に変更しています。なお、主はこのプロレスゲームの事を纏めて『エキプロシリーズ』と呼んでいます。

各シリーズの作品には実在のWWE(WWE)で活躍・登場したスーパースター(男性レスラー)やディーバ(女性レスラー)がいて、それらの入場シーンや技までも完全再現されているのが特徴です。また、オリジナルのレスラー(CAW、Create A Wrestler)が作成出来るクリエイトモードが収録され、キャラクタークリエイト(以下:キャラクリ)はプロレスゲームの中では作成自由度が比較的高く、上手く利用すればアニメ&ゲームキャラや実在人物が忠実に再現出来たりもします。(後にペイントツールモードが追加されて再現度が大幅に改善)。シリーズを重ねるごとに日々進化しており、レスラーが使うフィニッシャー(必殺技)のクリエイトが出来て、更にはストーリーの作成、チャンピオンベルトの作成、アリーナ(試合会場)のクリエイトだって出来るようになりました(但し、途中で無くなったものもあります)。

なお、WWE`13の日本版はTHQジャパンが事務所を閉鎖したため発売されませんでした(それ以降の日本版も発売の見込みは無し)。後にアメリカのTHQ本体も財政難で倒産してしまい、WWE`13の次回作の発売元が白紙になっていましたが、シリーズ第15弾からはアメリカの2K Sportsというスポーツゲームを主に開発&販売している会社に代わってWWE2K14から発売に努めていくことになります。されど、発売会社が代わっても開発はユークス社のままなのでエキプロクオリティーはしっかりと継承しています。

また、最近のシリーズの傾向としてはPS4やXBOX ONEといった次世代機版がメインとして開発されており、次世代機版に相応しい様々な新要素を取り入れています。しかしその反面、前世代機(PS3、XBOX360)版ではWWE2K14以降、ゲーム内容の変化が殆ど無くなってしまっているようです。

時代に進むにつれて進化の道を辿る一方、PS2のエキプロ7の時みたいな活気はすっかり無くなってしまい衰退期に陥っています。以下の4点の主な理由がエキプロシリーズからゲーマーやファンが徐々に遠のいて廃れていく原因の一つなのかも知れません。

①より『真面目なプロレス路線』に移行

 昔は地下鉄に乗って移動しながら試合をしたり(エキプロ3)、ヘリコプターやバイクを駆使しながら戦ったり(エキプロ5)、ディーバの服脱がし(?)合戦(エキプロ7他)など風変わりな試合が出来たりしましたが、近年はより真剣なプロレスになりつつあります。そのようになると実際の試合みたいにリアル感が増しますが、その反面ハチャメチャ感が激減してしまいます。これでは派手な試合を好むゲーマーやファンも飽きてくるのではないのでしょうか。

②『男尊女卑or女尊男卑』化

 近年の作品(SVR2009~)では過度な規制が加えられており、女性レスラーが出られる試合が制限されたり(所謂:男尊女卑)、男女間での試合ではミクスドタッグ(男女混合)戦を除いて行われず、そのミクスドタッグ戦においても男性から女性へ攻撃した瞬間反則負けとなってしまいます(所謂:女尊男卑)。更に、SVR2010より追加されたストーリーデザイナーモードでも男女間での乱闘シーン及び女性キャラが車に轢かれる等といった過激要素は設定できない仕様になっています。こういう風になった発端は現実のWWEが会社方針でゲームの世界でもファミリー路線へやむを得ず変更されたのではないでしょうか。これでは女性レスラー(女性CAW含む)を中心に使用するゲーマー&ファンにとっては都合が悪いことです。

③より高性能な『キャラクリゲー』の増加

 CAWが作れるエキプロシリーズ以外にも最近はMMORPG等の様々な3Dのゲームでより自由&より細かく顔や体型等をモーフィングエディットが出来て、かつ自由に楽しめるキャラクリエイトが出来るゲームが増えてきました。なのでCAWが作成出来るエキプロを敬遠して別のキャラクリゲーに流れていくことも間違いなさそうです。しかし現在のところ、プロレスゲーム類でハイクオリティーなキャラクリが出来るのはエキプロシリーズが代表格と言っても良いでしょう。

④幾らシリーズが進んでも完全には無くならない『バグ&ダメ仕様』

 最近のエキプロシリーズは高性能になりつつ故にバグが付き物になってきています。ゲームの進行に影響を及ぼさない軽度なバグ(レスラーの脚があり得ない方向に曲がったり、一部の必殺技が不発したりする等)なら許容範囲かと思いますが、中には途中でゲームが完全に停止してリセットを押さざるを得ないような致命的なバグ(試合終了後から勝ちポーズのシーンにならなくなる等)があります。また、COMとの試合でフォールしても相手がいつもカウント1で返されたり(WWE`13)、大部分のクリエイトフィニッシャー技の与ダメージが殆どない(WWE2K14)のようなダメ仕様もあります。最近のエキプロシリーズにはアップデートパッチが出ることがありますが、それでもバグと仕様は良いほうに改善されないようです。これらのようなバグやダメ仕様に萎えて最近のエキプロシリーズをプレイする気が失せてしまうファンも少なからず存在するようです。

⑤日本語版の撤退『海外版でのみ発売』
 先述した通り、WWE`13まで継続販売していたエキプロの『日本語版』が発売されなくなり、今後は北米版やアジア版等といった所謂『海外版』でしか購入することが出来なくなりました。日本国内でゲームを通販している一部の店では『北米版』エキプロの購入が可能で、他にも若干手間は掛かりますがダウンロード方式での購入も可能です。但し、言語は勿論「英語」で、英語が苦手なファンは少々苦労をするかも知れません。
しかし、WWE2K17からは約5年ぶりに次世代機版かつダウンロード販売のみながら日本でも公式に発売されるようになりました(但し、ゲーム内は全て英語表記になっています)。

・以下の各作品は日本国内で発売されたものを記載しています。但し、WWE`13~WWE2K16までの作品は日本未発売の為、パッケージ・発売機種・発売日は北米基準のものを記載しています。

○これまでに発売されてきたエキプロシリーズ
◎エキサイティングプロレスシリーズ(全7作品発売)

ソフト名 パッケージ 発売機種 発売日 コメント
エキサイティングプロレス(エキプロ無印) PS 2000年
8月8日
記念すべく初代エキプロ。キャラクリエイトの外見設定が概ね3項だけと近年の作品と比べてシンプルすぎる
エキサイティングプロレス2(エキプロ2) PS  2001年1月25日 前作を少しバージョンアップさせた感じ。最初のオープニングデモがいい。あと、ロードが頻繁で各々長い。クリエイトは前作よりはマシ
エキサイティングプロレス3(エキプロ3) PS2 2002年1月24日 PS2初登場。全体的に割とロードが短めで、(WWE2K18が発売されるまで)エキプロシリーズで唯一最大8人で試合が出来たが、処理能力不足の為か途中でフリーズするバグ有り
エキサイティングプロレス4(エキプロ4) PS2 2003年2月6日 今作より団体名『WWF』から『WWE』に変更。シーズンモードのストーリー内容が良い。前作の反省点を改善して今作以降(WWE2K18が発売されるまで)は最大6人戦になった。エンディングのスタッフロールは見る価値あり
エキサイティングプロレス5(エキプロ5) PS2 2004年1月29日 レジェンドレスラー&イリミネーション・チェンバー初登場。バックステージ戦が前作よりもバイクに乗ったり・ヘリからダイブしたりする等とハチャメチャで面白い(その点ではシリーズ最高)
エキサイティングプロレス6(エキプロ6) PS2 2005年2月3日 CAW全体の質が前作よりも大幅にパワーアップ。しかしCAWの顔が仕様上なんかゴリラ顔に似てる(笑)。あと、実在レスラーの顔の造形も今一つ似てない気が・・・
エキサイティングプロレス7(エキプロ7) PS2/PSP 2006年2月2日(PS2)・
2006年1012日(PSP)
今作からCAWの入場シーンが作成可能になって、CAWのパーツが使いやすいものが揃っている。しかしCOMのAIが悪い。だが、PAR(ゲーム改造ツール)を使えばエキプロシリーズ最高の出来だと思う。なお、PSP版は何処でも楽しめるがロード地獄。3つのミニゲームが付いている

◎SmackDown VS Rawシリーズ(全5作品発売)

ソフト名 パッケージ 発売機種 発売日 コメント
WWE 2007
SmackDown vs Raw

(SVR2007)
PS2/
XBOX360/
PSP
2007年1月25日(PS2/
XBOX360)・
2007年2月22日(PSP)
SVRシリーズ第1弾でXBOX360初登場。CAWの髪型やパーツなどが減って、クリエイト面では全体的なクオリティー大幅ダウンで酷い結果にOrz。但し、ゲーム中に流れるBGMは割と良いほうだった
WWE 2008
SmackDown vs Raw

(SVR2008)
PS2/PS3
XBOX360/Wii
2008年2月14日 PS3とWii初登場。ファイティングスタイルが採用。お蔭で技の選択肢がかなり制限される(PARを使用すれば何ともないが)。即行で適当なルールで試合を行うゲームモード『PLAY NOW』は不要(だと思う)
WWE 2009
SmackDown vs Raw

(SVR2009)
PS3
2009年1月22日 エキプロシリーズ第10作目。何故か日本版はPS3のみ発売。立ち正面掴み系のみだがオリジナル必殺技が作れるようになった。あと過去作のCAWの髪型やパーツが増えたり減ったりだが、シリーズ1,2を争う良い出来
WWE 2010
SmackDown vs Raw

(SVR2010)
PS3/
XBOX360
2010年1月28日 クリエイト面でパワーアップしており、今作からストーリーデザイナーモードが追加され、コーナーからの飛び技をクリエイト出来るようになった
WWE 2011
SmackDown vs Raw

(SVR2011)
PS3/
XBOX360
2011年2月3日 雪崩式の必殺技も作成できるようになったが、CAWの肌の色具合が30色(その内まともに使えるのは10色だけ)しか選べなくなった

◎WWE`シリーズ(全2作品発売)

ソフト名 パッケージ 発売機種 発売日 コメント
WWE`12 PS3 2012年1月26日 WWE`シリーズ第1弾にして(現時点で)日本版最終作。今作からはクリエイトアリーナでリングや実況席まで好きなように作成が出来るようになった
WWE`13
(日本版未発売)
PS3/XBOX360/
Wii
2012年10月30日 THQの末期に発売された作品。6人女子戦・スペシャルレフェリー戦・オリジナルベルト作成モードが復活。90年代後半~2000年代前半のWWF(WWE)最盛期の物語が味わえる『Attitude Era』モードもそこそこ楽しめる。初回予約特典はマイク・タイソンの登場コード付き

◎WWE2Kシリーズ(全5作品発売、WWE2K16まで日本版未発売)

ソフト名 パッケージ 発売機種 発売日 コメント
WWE2K14 PS3/XBOX360 2013年10月29日  2K Sportsからシリーズ初の作品。前回の『Attitude Era』に代わって新たにレッスルマニアでの数々の名勝負を楽しむことが出来る『30Years of WrestleMania』モードが登場。クリエイト面では基本的な要素はあまり変わらないが、CAWは50体から100体にまでセーブ可能になった。なお、初回予約特典はアルティメットウォリアーの登場コード付き
WWE2K15 PS4/XBOX ONE/
PS3/XBOX360/PC
2014年10月28日(PS3/
XBOX360)・11月18日(PS4/XBOX ONE)・2015年4月28日(PC)
今作より『WWE』ロゴが変更。PS3&XBOX360版は前作と比べて過去最悪級の出来。新キャラや新技は勿論増えたが、試合中のリプレイ機能・クリエイトフィニッシャー・ストーリーデザイナー・カスタムサントラ機能それそれ無し。クリエイトCAWは前作の使い回し。良い要素が見当たらず悪い要素が圧倒的に多い。シリーズ初となるPS4&XBOX ONE版は高画質&斬新なゲームシステムになったが、女性CAW・クリエイトアリーナ・クリエイトチャンピオンシップが更に無くなってCAWセーブ数が25体に減少。開発スタッフ陣らも今作の出来は悪いと発言する事態に。初回予約特典はスティングの登場コード付き。PC版初登場(但しゲームシステムは次世代機版と同じ)
WWE2K16 PS4/XBOX ONE/
PS3/XBOX360/PC
2015年10月27日(PS3/PS4/XBOX360/
XBOX ONE)・2016年3月11日(PC)
シリーズ最多の男女合わせて130人以上のレスラーが使用可能。次世代機版は前作よりもクリエイト関連がかなり進化しており、CAWセーブ数が100体となり、女性CAW(但し作成自由度は旧世代機版よりも劣る)・クリエイトアリーナ・クリエイトチャンピオンシップの作成が次世代機の性能を生かして可能になった。一方、旧世代機版のクリエイト面で進化したところは主にカスタムサントラ機能が復活したぐらいで前作よりは良い出来。両世代機共に試合中のリプレイ機能・クリエイトフィニッシャーストーリーデザイナーの復活は無し。なお、初回予約特典は2種類のターミネーターの登場コード付き
WWE2K17
  PS4/XBOX ONE/
PS3/XBOX360/PC
2016年10月11日
(PC版は2017年2月7日)
日本版2017年3月9日
今作は日本でも次世代機版のみでダウンロード方式で発売される(但し、ゲーム内容は全て英語表記)。シンスケ・ナカムラ、ヒデオ・イタミ、アスカ、藤波辰爾と日本人選手は4人に。試合形式『Falls Count Anywhere』はエキプロ3を彷彿させるような自由度の高さ。ハイライトリールがWWE`13以来の復活。クリエイトモードは髪型やコスチューム等、CAWのパーツがかなり増えた模様、今作からは試合後の勝利ポーズもクリエイトが可能な反面、ボディモーフィングが削減された。一方。旧世代機版は次世代機版のような新要素はなく基本的に前作とあまり変化がない模様(使い回しが殆ど)
WWE2K18
PS4/XBOX ONE/、PC/ニンテンドースイッチ 2017年10月17日
(ニンテンドースイッチ以外)、デラックスエディション版は10月13日
ニンテンドースイッチ版初登場、今作からはPS3等の旧世代版は発売されず、次世代機版のみの発売。その為、処理能力大幅改善でエキプロ3以来の最大8人同時で試合が出来る(ニンテンドースイッチ版除く)。日本人レスラーは前作の4人に初登場の戸澤陽を加えて登録数はシリーズ最多の5人に。WWE2K14以来となるポーズ時のリプレイ機能が搭載。クリエイトレスラーは基本的に前作と同じだが、光輝く素材や夜光塗料素材などが新たに各パーツに選択可能。また、選択画面のポーズ設定の自由度が格段にアップ
WWE2K19
(仮)
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・エキプロ派生シリーズ
本格的なエキプロシリーズではないが、エキプロの外伝的な作品やエキプロのシステムを一部受け継いだもの

ソフト名 発売機種 発売日 コメント
SIMPLE1500シリーズ Vol.052
The プロレス2
PS 2000年
12月14日
エキプロ(無印)を日本のプロレス流に改良した感じ。有刺鉄線電流爆破とかのデスマッチが出来る
オンラインプロレスリング PS2 2004年5月6日  エキプロ4を日本のプロレス流にアレンジしつつ、オンライン対応(現在は利用不可能)にしたもの 
ランブルローズ PS2 2005年2月17日  女性キャラ10人×善玉&悪玉の2スタイルで実質20人+αが登場し、キャラクリエイトはないがエキプロ5・6のモーションを一部採用している
ランブルローズXX XBOX360 2006年3月30日 前作から基本キャラは増減していないが新たにスーパースタースタイルがあり、1キャラ当たり4種類のスタイルになった。また、タッグ戦やバトルロイヤル等の3人以上の試合が出来るようになった。簡素だがキャラクリもある
レジェンズ・オブ・レッスルマニア PS3/
XBOX360
2009年7月9日 レジェンドレスラーやCAW同士の戦いで熱いが、操作性がSVRシリーズよりも悪い。SVR2009から男性レスラーをインポートできる
WWE2K Android 2015年4月16日 タブレットやスマートフォンで1000円以下の投資で気軽にエキプロが楽しめる。但し、操作はコントローラーではなく画面をタッチしての操作のみで慣れるのに時間がかかる。クリエイトモードもある(男性のみ)

・昔は幻だったPC版エキプロ
PSシリーズやXBOXシリーズ等の家庭用ゲーム機以外にパーソナルコンピューター(以下PC)でもエキプロを発売する計画が過去にありました。その名称は『WWE SmackDown vs Raw Online』(以下SVRO)として、SVR2010をベースにして製作されていたそうです。
その主な特徴として、PCのインターネットを通じて対戦やCAWをアップロードしたりすること等が勿論可能で、更にはPCの幅広い機能を活かしてPC内にある画像を利用して3D方式のペイントツールが作成可能でした。また、後のWWE`12から採用されたクリエイトアリーナも可能だったのことです。
一時はSVROのトレイラームービーまで仕上がっていてゲームの開発が捗っていましたが、2011年2月2日付でTHQ(当時の発売元)がSVROの
発売中止が正式に発表され、商品化には至りませんでした。その理由はTHQ及び開発側の(ユークスではなく別のゲーム開発会社)のコスト削減の為だったそうです。
それからTHQから2Kに発売元が代わり、4年後の2015年4月28日には『WWE2K15』というタイトルでPS4・XBOX ONE版からの完全移植ながらもエキプロシリーズが念願のPC版デビューを果たしました。

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